2025年3月6日、汐留ホールにて「クリスティアン・グレーヴレン 初来日記念ピアノコンサート」を開催いたしました。ご来場いただきました皆様、ありがとうございました。
クリスティアン・グレーヴレン氏の演奏は、大胆さや誰も予測できないような意外性、そして繊細さを併せ持ち、まさにノルウェー音楽の在り方を体現しているようにも思えた一夜でした。
公演は、日本での演奏機会は珍しいアガーテ・バッケル=グレンダールの組曲で幕を開け、あたたかなお人柄が感じられるトークをはさみながら、セーヴェルーの知られざるピアノ曲、そして最後はグリーグのピアノ曲の中で最も親しまれている「トロルハウゲンの婚礼の日」で幕を閉じました。まさに、コンサートの副題「グリーグが愛し、グリーグを愛した作曲家たち」のとおりのプログラム。”ノルウェー・日本外交関係樹立120周年”にふさわしい素晴らしい演奏をご披露くださったグレーヴレン氏へ、客席からの拍手が鳴り止みませんでした。
アンコールは、イプセンの戯曲《ヘッダ・ガーブレル》を題材にしたグレーヴレン氏自作の同名オペラより「夜想曲」が披露されました。
日頃からグリーグを聴くのがお好きな方にとっても、ノルウェーの音楽を聴くのが初めての方にとっても大変興味深いプログラムだったのではないでしょうか。グリーグ、セーヴェルー、ブルという3人の作曲家の家(博物館)の館長、グリーグ国際ピアノコンクールのディレクターなど、多方面でノルウェーの音楽界を担う一員であるグレーヴレン氏の、全体をおおらかに見渡す視野とさまざまな可能性を試そうとする感覚の鋭さに感銘を受ける公演でした。
終演後は、グレーヴレン氏を囲んでの歓談タイムがあり、来場者の方々が交流し合うひとときとなりました。
この企画を通して、北欧最大級の規模を誇る芸術組織であるKODE(グリーグ博物館ほか7つの文化拠点を管轄する組織)と関係を築くことができたことは日本グリーグ協会にとって大きな財産となりました。今回のコンサートを今後のさまざまな機会に可能性を繋いでいけるよう努めてまいります。
本プロジェクトの実現に向けて多大なるご協力を賜りましたノルウェー大使館、共催パートナーである株式会社ノルディックカルチャージャパンはじめ、お力添えいただきました方々に心より御礼申し上げます。

